公共図書館における専門的業務に従事する非正規職員の任用止めの廃止を求める声明

2014年3月12日

 公共図書館における専門的業務に従事する
非正規職員の任用止めの廃止を求める声明

図書館問題研究会
全国委員会

 図書館問題研究会は、住民の学習権と知る自由を保障する図書館の発展を目指して活動する図書館員、住民、研究者などで構成される個人加盟の団体である。
 当会は、国民の知る自由、知る権利を保障し、わが国の文化的基盤を支える図書館に関わる立場から、公共図書館を支える専門的業務に従事する非正規職員の任用止めの廃止を各自治体・設立団体に強く求めるものである。
 年度末を控え、全国各地の図書館から期限切れによる非正規専門職員の任用止めの情報が多数寄せられている。2012年の日本の公共図書館における専門職(司書有資格者)の割合は全体の約5割であり、そのうちの約7割が非正規職員となっている。
 公共図書館の専門職は司書であり、本来ならば公共図書館には正規司書として発令された職員が置かれるがことが望ましいが、その募集が行われておらず司書として図書館勤務をするためには、非正規職員を選択するしかない自治体が多数であるのが現状である。
 さらにその非正規職員の任用回数に制限を設け、継続的な勤務が認められずに任用止めが行われている自治体も多く見受けられるが、任用回数制限をすることを法令上求められているわけではない。
 非正規職員は制度上、数か月から1年の任用となっているが、年数を区切った短期間の任用が繰り返されることによって、専門職としての経験の積み重ねが難しくなり、日本における専門職司書の育成の障害ともなっている。
 本来ならば正規専門職司書としての採用に基づいた長期の育成が望まれるが、1年間に全国で50人程度にとどまる昨今の正規専門職司書の採用状況を考えれば、専門職司書として採用されていなくても、非正規職員として図書館で経験を積んで働いている司書有資格職員は、貴重な専門性を持った司書であり、無用な任用止めによる人員の入れ替えは望ましくない。
 司書は各自治体の公共図書館においてのみ、公共図書館司書としての経験を積んでいくことができるのである。その貴重な人材が、非正規職員として任用回数に制限を設けられ、数年のうちに使い捨てられることは、その自治体の住民にとっても大きな損失である。
 先進国としての文化的基盤を支える日本の図書館に専門職を育成するよう、各自治体には専門職種としての司書の採用を促すとともに、不安定な身分でも各自研鑚を積み、専門性の獲得にむけて日々努力している非正規専門職員の司書が、その経験と努力を生かせず、不本意のうちに図書館の現場を去ることがないよう、各自治体・設立団体には専門職育成の視野に立った職員任用を求めるものである。

図書館問題研究会
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委員長 中沢孝之