公共図書館に正規司書職員の採用を求める声明

2014年9月8日

公共図書館に正規司書職員の採用を求める声明

図書館問題研究会全国委員会

 図書館問題研究会は、住民の学習権と知る自由を保障する図書館の発展を目指して活動する図書館員、住民、研究者などで構成される個人加盟の団体である。
当会は、国民の知る自由、知る権利を保障し、わが国の文化的基盤を支える図書館に関わる立場から、公共図書館を支える正規専門職「司書」の採用を強く求めるものである。
日本の公共図書館の職員の中で、現在正規職員の割合は約3割であり、さらにそのうちの約5割が司書有資格者となっている。しかしその多くは、一般行政職としての採用であり、他の部署への異動等により、図書館に勤務し続けることは難しい。
公共図書館の専門職は司書であり、本来ならば公共図書館には司書として発令された正規司書有資格職員が置かれることが望ましいが、図書館法上では専門職「司書」については記載されていても残念ながら必置ではないことから、正規司書職員の採用・発令は著しく少ないのが現状である。
2013年度の日本全国の公共図書館数3248館(日本の図書館2013)に対し、都道府県立図書館も含め司書専門職としての採用は、2013年の1年間に全国で50人程度にとどまっている。
このため司書資格を取っても正規司書職員としての就職口は極端に少なく、優秀な人材が他の職種や非正規の職に就職せざるをえない事態となっている。
図書館職員の約7割を占める、非常勤・臨時などの非正規公務員や委託・派遣・指定管理会社などの社員は、たとえ司書資格を持って働いていても、任用止めや自治体と所属民間会社との契約切れ、さらに低賃金などにより長期的に図書館で勤務をすることが難しい状況に置かれている。
図書館職員が専門職員として利用者の役に立つためには、司書資格取得時の基礎知識と共に、図書館における勤務経験を積み重ねることが必要となる。
司書の役割としては、一般的な資料の提供と共に、過去から現在にいたるまで各地域が持つ様々な情報を、収集し提供することも大きな要素である。自治体の政策を熟知した上で最大限のサービスを提供し、さらに地域の課題を解決し実現していくためには長期的視野を持って継続的に勤務できる正規司書職員が必要である。
文化的基盤を支える日本の図書館に力量ある専門職員が育つよう、各自治体には条例の整備と運用により、専門職育成の視野のもとに正規司書職員の採用を求めるものである。