多賀城市における新図書館建設構想について(要望)

2013年6月27日

 

多賀城市長
菊地 健次郎 様

図書館問題研究会
委員長 中沢 孝之

多賀城市における新図書館建設構想について(要望)

 貴市におかれましては、国内最大級のこれまでにない大災害により、復旧・復興に向けて大変なご苦労があるものと存じ、心よりお見舞い申し上げます。
さて、当会は、住民の学習権と知る自由を保障する図書館の発展を目指し、図書館職員や住民、研究者で構成され、活動を行っています。
先日、貴市の図書館をカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC)に運営委託することを検討していることが報道されました。また、検討にあたって、CCCに図書館運営を委託した武雄市にて説明を受けたとも報道されています。
当会では、佐賀県武雄市図書館の業者選定からCCCによる運営において、受託企業選定の不透明性、利用者の図書館利用に関する情報、貸出履歴の企業活動での利用への危惧、物販エリアと図書館エリアの区別が利用者にわかりにくいこと、蘭学館のスペースを有償レンタルショップに転用したこと、施設面でのバリアフリーの後退、図書館の専門職員のほとんどが非正規社員でありサービスの質と持続性の確保が困難なこと等、様々な課題を抱えていると認識しています。現在は、マスコミ報道等により遠方からの来館者が多いと聞いておりますが、図書館を必要とする市民が気兼ねなく利用できる図書館になっているかどうかについては、疑問が残ります。
貴市立図書館は、東北地方の市立図書館としてはいち早く開館し、先進的な運営で他の自治体での新館建設や運営のモデルとなってきました。これまでの貴市立図書館の運営・活動は、児童サービスをはじめ定評があり、その蓄積及びサービス水準は市民と共に35年間育んだ賜物であると考えています。
当会では、地域の知的拠点である公共図書館は、行政が継続性と責任を担保しながら運営することが必要だと考えています。従来の市直営の図書館運営を適切に評価した上で、新図書館の施設・運営に必要な要件を検討し、直営での運営を維持する選択肢も含めて、慎重に検討されることを要望します。
末筆となりましたが、一日でも早く、貴市が復興されますことを心よりお祈り申し上げます。