武雄市の新・図書館構想における個人情報の取り扱いについての要請

2012年5月22日

武雄市長 樋渡啓祐様

図書館問題研究会
委員長 中沢孝之

新・図書館構想における個人情報の扱いについて

 図書館問題研究会は“住民の学習権と知る自由を保障する図書館”の発展を目指して活動する図書館員、住民、研究者など図書館に関心を持つ人たちによる個人加盟の団体です。  
 貴市におかれましては、当会の活動に対し日頃よりご理解ご協力を賜り、御礼申し上げます。
 さて、このたび貴市で計画中の「武雄市とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の武雄市立図書館の企画・運営に関する提携基本合意について」に関し、武雄新図書館構想発表記者会見(ユーストリーム)や市長ブログ等で、図書館が地域の文化を高め市民生活を豊かにするという市長のお考えを伺いました。

 その中で「Tポイント・Tカードの導入」に関し、多くの会員から導入を危惧する声が寄せられております。
 ご存知の通り、図書館関係者は「図書館の自由に関する宣言」を尊重し、読書の秘密や利用の秘密を守ることは利用者の内心の自由を守ることであるとして、個人情報や貸出履歴の扱いには細心の注意を払ってきました。このことについては、市長もブログ等で「図書館の自由を無視するつもりはない」と発言され、「図書館の自由に関する宣言」についてもご理解いただいていると存じます。
 既に市長のブログ等で、既存の図書館カードとTカードを併用する方針が示されておりますが、図書館の利用にあたってCCCのTカードの規約への同意を条件とすることは、公共サービスとしての図書館にはそぐわないと考えます。
 また、個人情報や貸出履歴の扱いに関しましては市長もブログで丁寧に説明いただいておりますが、Tポイント・Tカードの導入につきましては、個人情報や貸出履歴、匿名化した詳細な利用データ等がCCCに渡り、マーケティング等に利用されることが危惧されています。図書館で取得した個人情報、貸出履歴等の情報は、あくまで図書館サービスによる市民価値の向上に資する最小限度の範囲で収集することが許されているのであり、そうした情報が図書館の外部に流れ、図書館サービス以外の事業に活用されることは、公共図書館の目的を損なうことにもつながりかねません。
 さらに、Tカードの利用にあたっては規約等への同意が必要になると思われますが、特に未成年者や高齢者に対する配慮が必要となります。
 これらのことを慎重に検討し、引き続き市民が安心して利用できる図書館を維持していただくようお願いいたします。そして、図書館は個人に関する情報、図書館の利用情報、読書の秘密等を守るということについて、図書館利用者をはじめ多くの市民に周知いただけたら幸いです。

 また、指定管理者の導入及び選定につきましては住民、図書館協議会、議会と十分協議いただきますようお願いいたします。とりわけ、指定管理者の選定につきましては、総務省通知においても「指定管理者の指定の申請にあたっては、住民サービスを効果的、効率的に提供するため、サービスの提供者を民間事業者等から幅広く求めることに意義があり、複数の申請者に事業計画書を提出させることが望ましい」とされています。例えば365日開館などは既に図書館で実施している事例もあり、選定の公平性、透明性を確保するためにも、公募方式を取ることも検討いただければと考えます。

 以上につきまして十分検討いただきますようお願い申し上げます。当会は貴市および市立図書館のますますの発展を祈念しております。