安全保障関連法案に反対するアピール

2015年7月7日

安全保障関連法案に反対するアピール

図書館問題研究会第62回全国大会

 政府は、2014年7月1日に集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行ない、2015年5月15日に平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案を提出し、7月中旬にも衆議院で採決を行なう予定と報道されている。こうした動きは日本国憲法の立憲主義や恒久平和主義をゆるがすものとして、大きな議論となっている。

 集団的自衛権の行使を前提とするこれらの安全保障関連法案は、多くの憲法学者から指摘されているように憲法9条に違反し、違憲である。また、改憲手続を経ずに閣議決定や違憲立法で憲法に違背することは、権力を憲法で縛る立憲主義を破壊するものである。私たちは、こうした閣議決定、法案に強く反対する。
 公共図書館もまた、憲法を法的基盤としている。教育を受ける権利、表現の自由、学問の自由、生存権などの条項に公共図書館の活動は基礎づけられている。時の政府が、解釈によって自由に憲法をねじ曲げることができるならば、公共図書館を基礎づけている条項もまた容易にねじ曲げられる危険性がある。
 また、「平和安全法制」と名付けながら、法案の内容は自衛をのり越えて米軍等との一体的な軍事行動への道を開く「戦争法案」である。図書館問題研究会は戦前、戦時の図書館による思想善導と、戦争が国内外の多くの図書館とその蔵書を破壊した反省に立ち、「平和な、明るい民衆の生活向上を目指」すことを目標に掲げて発足した。先の大戦の痛苦な反省から生み出された憲法の恒久平和主義を破壊するこれらの法律の制定を許すことはできない。

 政治問題が論争の渦中にあるとき、公共図書館の果たすべき役割は、住民に対して最大限の情報・資料を提供することである。今次の安全保障関連法案についても、賛成、反対両方の情報を積極的に住民に提供し、議論を促すことで、民主主義の内実を担保することがその使命である。政治問題について、積極的に情報・資料提供を行なうよう全国の公共図書館に呼びかける。