「有害図書」指定の拡大に反対するアピール

2018年9月10日

図書館問題研究会全国委員会

「有害図書」指定の拡大に反対するアピール

 図書館問題研究会は、図書館の発展を願う図書館員や研究者、住民で組織する個人加盟の団体です。
 2018年3月23日に滋賀県社会福祉審議会児童福祉専門分科会図書等審査部会が黒沢哲哉『全国版あの日のエロ本自販機探訪記』(双葉社)を「有害図書」に指定し、3月30日には北海道青少年健全育成審議会が稀見理都『エロマンガ表現史』(太田出版)の有害図書指定を行いました。当該図書はそれ自身が性的な表現がある著作物ではなく、それを対象とする研究書です。既に複数の公共図書館が当該資料を所蔵し、提供していますが、自治体による有害図書指定は、公共図書館での収集や提供にも制限をもたらすことが危惧されています。
 図書館問題研究会は、公権力による有害図書指定制度は、住民の知る権利の侵害につながる可能性が高く、その導入・運用には反対してきました。有害図書指定のなし崩し的な拡大は、私たち図書館関係者としても看過できるものではなく、改めて強く反対するものです。
 また、「有害図書」を指定する審議会の議事録が作成されていなかったことも報道されています。有害図書指定は非公開で行われることも多く、情報公開が遅れています。有害図書指定のように事実上の検閲ともなり得る公権力の行使にあたっては、議事録が作成・公開されなければなりません。また、同様に指定を継続的にチェックすることが可能となるよう、都道府県立図書館には有害図書指定された資料の収集・保存、成人への閲覧等、当該図書へのアクセスを確保することを要望します。